遺品の手紙が語るその人の人生

以前、高齢者の一人世帯のご支援をしていた経験の中での、お話です。当時、たくさんの方のご支援をさせていただいておりましたが、経済的に困窮している方も多く、男性の単身世帯だと、いわゆるゴミ屋敷の方も多くいらっしゃいました。そんな中、とてもきれいにお部屋を使っている80歳の男性の方がいらして、炊事、洗濯、掃除をほぼ、1人でできるような方でした。やや身体に難はありましたが、1人で公共交通機関を利用できる力はありました。その方のお身体の調子が悪くなったのは、私がその方に出会って、半年ぐらいの頃でした。私が家を訪問すると、いつもニコニコしながらお茶を出してくれるその方の顔いろが悪かったので、通院をすすめたところ、通院したその日に入院になり、1週間後にはお亡くなりになられました。

 

非常にショックでしたが、せめて私ができることとして、身寄りのない、この方のお部屋の片づけをさせていただきました。押し入れを片付けていたところ、いくつもの便せんがいくつもの出てきて、見るともなく目を通すと、元のご家族とのやりとりのお手紙できした。お金をめぐっての故人と家族との間で、争いがあったことを示唆するもので、元妻の憎しみがこもった、強い筆圧のものでした。あんなにおだやかな方に、こんな人生があったなんて、遺品整理をしなければ知ることのなかった、なんとも表現しにくい経験でした。